2)少しの文書や記録でもISOを取れると聞いたのですが本当ですか?
【回答】

 本当です。

 「うちのマニュアルはたったの**ページです」とか、「たった**枚の記録で済みます」などというのを“うたい文句”にしているコンサルタントもいますし、それでもISOを取る(正確には”認証を取得する”)ことは十分可能です。

 しかし実は、文書や記録の数やボリュームを減らすことは、
そんなに難しいことではないのです。なるべくひとつの文書にいろんなことを盛り込めば文書の数は減りますし、詳しい内容を書かなければ文書のボリュームは減るのです。

 当社で指導する場合も、中小企業にお勧めするのは大抵20〜30ページ程度のマニュアルですし、ページ数の少なさをうたうコンサルタントと大して差は無いと思います。しかし当社では、全ての企業に対して一律の文書を作るような指導はしていません。なぜなら、使い勝手の良い文書の内容や形態というものは、
それを使う企業によって異なってくるからです。

 また、記録の種類を減らすのも簡単です。監視測定する項目を減らせば良いのです。しかし、記録を減らしたいがために、監視測定すべき項目を減らしてしまっては本末転倒です。何のために記録を取るのか、よく考えてみる必要があるでしょう。



 ところで、文書の種類やボリュームは、とにかく減らせば良いのでしょうか?

 もちろん不要な文書をたくさん作ったり、内容が煩雑になったりすることは避けなければなりませんが、結局のところ重要なのは、
  1)
文書にして意味のあることを
  2)
見て分かりやすく
  3)
使い勝手の良い形で
文書化することなのです。

 ところが、簡単なようで実はこれが難しく、多くの企業では
  1)
文書にしてもあまり意味の無いことを
  2)
見ただけでは分かりづらく
  3)
使い勝手の良くない形で
文書化しているため、結果として文書の種類やボリュームが多くなってしまっているのです。

 こうならないためには、ISO規格を十分に理解したうえで、どんな文書にするのが自社にとって有効であるのかを、様々な角度から検討することが大事です。もちろんそれには、それなりの知識やテクニックも必要ですし、ある程度労力がかかることも避けられないでしょう。